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2018年4月9日月曜日

Sinding-Larsen-Johensson病(症例紹介シリーズ)

どうもこんにちは

お久しぶりです
本日は症例紹介シリーズ

『Sinding-Larsen-Johensson病』(以下:シンディングラーセン)をご紹介します

先日名古屋高校グランドにて
名古屋ラグビースクールと名古屋高校ラグビー部の交流会が行われ、幼稚園児から中学生まで幅広い世代のちびっこラガーが名古屋高校グランドを訪れました

私が立ち会ったのは今年が2回目ですが、今後も毎年開催していく予定とのことです


今回はそのラグビースクールの親御さんから、息子さんが数ヶ月前から両膝の痛みを訴えているとの相談を受け、グランドにて患部を確認させていただきました

年齢は確か11歳か12歳、非常に活動性の高いお子さんで、ラグビーだけでなく日頃から体を動かすことが大好きな少年
痛みを訴えているのは数ヶ月前からで
接骨院で治療を受けているが休むと良くなりたくさん動くと痛みが増強するの繰り返しとのことでした

疼痛部位は両膝蓋骨(お皿の骨)の遠位端部で、圧痛と運動時痛、運動後の確認であったためかやや腫脹が見られました


小・中学性の活動性の高い男の子で膝の痛みと言えば
『Osgood-Schlatter病』(以下:オスグッド)が有名ですが
オスグッドは膝のお皿よりもやや下の部分、スネの骨の一番上が痛くなります

今回の少年が痛みを訴えているのは、膝のお皿の一番下端。
オスグッドではないことは容易に判断でき、ここの痛みを訴えた場合は真っ先に上述のシンディングラーセンを疑わなければなりません



さて
Sinding-Larsen-Johensson病とは…

好発年齢11歳
膝蓋腱の繰り返しの牽引力が、骨の硬化が未成熟な膝蓋骨下端に加わることにより炎症を引き起こし画像上石灰化や離断性骨軟骨炎像、不規則な骨化などを呈する症候。

です。


要するに
飛んだり跳ねたり走ったりの衝撃が、まだ柔らかいお皿の骨に繰り返し加わることで炎症を起こしてしまう
悪化するとレントゲンでみると骨が剥がれたようになってしまうこともある
小学校高学年くらいに良く起こる

といった感じのスポーツ障害です



こちらの治療はまずはとにかく安静!

使いすぎが原因の大きな割合を占めるためです
ほとんどの場合が1ヶ月ほどの安静で症状は消失します

加えて膝蓋骨に加わる牽引力を少しでも軽減するために、柔軟性を高めるストレッチングを行ったり
骨の代謝を高めるために低出力パルス超音波を実施することでできる限り治療期間の短縮を図ります
(ちなみに当院でも低出力パルス超音波を実施することが可能です)

予後は比較的良い疾患ですが
子供に起こる痛みなので
重症化する前に周りの大人が見つけてあげて、運動量を制限をして早めに治すことが重要と言えますね

今回のお子さんは来院での診察では無くグランド上での確認だったので近隣の整形外科を改めて受診するようにオススメしました

その後整形外科にて通院加療しているようです


早く良くなってまた活発にグランドを走り回って欲しいですね




スポーツ障害や外傷リハビリ、アスリートリハビリはきちんとした知識を持って当たらないと、患者さんにとって大きな不利益となってしまうことがあると言うことを再認識する出来事でした

今後も一人一人の症状にきちんと向き合って少しでも患者さんの健康増進のお手伝いができたらなと思います



…それでは!




おまけ

春ですね

出会いと別れの季節です




















膝の痛み
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希望ヶ丘接骨院

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